幾離ハ何
所の産を
儘とする
翫ふ者なり、其類白きあり斑あるあり、
第五十八
鯉に亜く者は、鰻驪鮒とす、鰻驪も、鯉と同じく湖
海池沼に、生ずと雖も長流の河水に在る者を最
とす、因て東京浅草川の者を、江戸前と称しこれ
を貴重す、又赤鰻筋鰻と稱ふるものあり、又八つ
目鰻と稱ふるもの有り、多く二羽越後及び信濃
諏訪の湖に産す、白点八つあるを以て名つく
第五十九
朝は近江湖中の者を最とす、其源五郎鯛と稱す
るは、長さ一尺二三寸に至る、其他紅葉鮒と称ふ
るあり余鮒と称ふるあり、並に其名諸州に著る、
鯉は何
處に産す
るや
第六十
鱒は、多く東北国に産す、形鮭に似て鱗細かく赤
條ありて、其眼中を貫ぬけり鮭も淡水の産にし
て、是亦東北国に多し、醋にしたるを塩引と稱ふ
北海道、及越後多くこれを出す、
玉島川の
年魚何故
名高きや
第六十一
鮎は、諸国に多し然れども、肥前玉島川の産、其名
あり、是神功皇后此魚を釣りて軍の成敗を占ひ