第三十一
木にして
草に似た
る者は何
と名つく
るや
木にして高く聳えず、草に似て其幹冬を経れど
も枯れざる者を灌木といふ、牡丹、薔薇、山吹、瑞香
本芙蓉、梔子、木槿の類は、皆花を賞す百両金、万万両
薮柑子南天の類は、皆実を翫ふ、日用の品に非と
いへども、目を喜ばしめて生を養ふの一端とす
べし
第三十二
竹は支那にて苞木と稱す然れども草の硬強に
して長大なる者なり、其花年を経ざれは開かず
雁の花の
梅蘆踊
の数如何
三の雄慈二の雌燕にして、穀の如き實を結ふ、淡
竹、苦竹孟宗竹女竹等の別あり、又／箸に、山白竹、根
笹等あり、大小の別あれども、皆若と稱す、
衣と為へ
き草は何
々ぞ
第三十三
草にして衣となるべきは大麻苧麻を最とす大
麻は春蒔きて夏これを抜き皮を剥きて水に浸
し、細に裂きて線とす、苧麻は別種にして、宿根よ
り生す、其葉槽に似たり、此皮を以て、奈良晒越後
縮等の布を織り成す。
第三十四